国際・政治

中国との付き合い方と経済安全保障のバランスを考えるジョージタウン大学の学生の議論のレベルに舌を巻く=鈴木 洋之

リアルの議論が将来の力に Bloomberg
リアルの議論が将来の力に Bloomberg

大学再開で討論活発に 競争力の源泉を見た=鈴木洋之

 大学時代、アメリカンフットボールに打ち込んだ筆者にとって、アメフトシーズンの秋は、米国生活の中でも最も楽しい季節だ。米国本場のアメフトといえば、日本では、プロリーグであるNFLが注目されるが、学生アメフト観戦も楽しみの一つだ。

 学生アメフトも、昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの試合が無観客となったが、今年は、金曜夜に行われる地元高校の試合には、在校生や卒業生、家族、地元住民も多く集まる。また、土曜日に行われる大学(カレッジ)の試合は、主要テレビ局が多くの試合を放映し、全米各州の主要カレッジの試合ともなると、いずれも毎週超満員だ。応援する学生の熱気は圧巻で、キャンパスに戻った学生のエネルギーが米国の活力の原動力となっていることを改めて実感する。

 実際、大学の授業は、9月の新学期から対面授業が主流に戻っている。前学期から、学生が大学側に対し、対面授業に戻りたいと強く要望し、大学側もそれに応え、受け入れ体制を入念に準備している。キャンパスに戻る学生は全員、ワクチン接種証明書を大学のアカウントにアップロードし、大学側も定期的なPCR検査を実施可能とする体制を整備している。

 対面が不安な学生にはバーチャルで授業に参加する手法も準備されているものの、当地の学生にヒアリングしたところ、大半は対面授業に参加している。また、昨年1年間のオンライン授業と違い、対面授業に加え、グループワークも大きく増えているということだ。学生同士のディスカッションでお互いの成長を促すのは、米国アカデミア(学界)の強みの一つであり、米国の競争力を生み出…

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週刊エコノミスト

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