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市場をかく乱するアルゴリズム高速取引=松田遼
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諸刃の剣 市場の効率化とかく乱要因 アルゴリズム高速取引の深層=松田遼
米連邦準備制度理事会(FRB)では、新型コロナウイルスの大流行に伴う、経済の落ち込みから昨年3月に始めた量的緩和政策の縮小(テーパリング)を11月内にスタートさせると決めた。その金融市場への影響が懸念されている。
特に注目されるのが、アルゴリズムを使った高速取引(アルゴリズム高速取引)である。この取引が金融市場をかく乱する可能性があるとみられているからだ。
『フラッシュ・ボーイズ』
高速取引(HFT)が社会的に認知されるきっかけとなったのは、米国のジャナーリストのマイケル・ルイスがその著書『フラッシュ・ボーイズ』で取り上げたことである。
一般的にアルゴリズムとは、ある特定の問題を解く手順をコンピュータープログラムの形で処理するものだ。
アルゴリズム高速取引とは、大量の市場データへの迅速なアクセスと処理に依存する取引を含むもので、すでに株式、国債市場など金融市場に浸透。これからもさらに重要になってくる取引と言える。また、HFTとは、高速で注文の発注やキャンセルを繰り返す取引でもある。
アルゴリズム高速取引は、株式、債券などの金融市場のみならず、原油や金といったコモディティー市場をもかく乱する要因になっている。欧州で天然ガスが急騰した一因として、アルゴリズム高速取引が指摘されている。
前述したようにFRBは、11月3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、月内にテーパリングを始めることを決めた。テーパリングによって、市場に供給される資金が減少し、金融市場やコモディティー市場における需給環境に影響を与えることが懸念されているのだ。
そうしたタイミングで、アルゴリズム高速取引が市場をさらにかく乱することが市場関係者の間で懸念されている。テーパリングによって市場が不安定化すれば、アルゴリズム高速取引を行う投資家にとっては、絶好の売買機会となるとみられているからだ。「流動性さえあれば、アルゴリズム高速取引はどんな市場にも進出する」(市場関係者)。
SECリポート
では、具体的にどのようなことが起こるか、また、規制当局の対応はどのようになるかを検証しよう。
すでに、アルゴリズム高速取引については、2020年8月に米証券取引委員会(SEC)が、「資本市場におけるアルゴリズム取引」についてリポートを発表している(9…
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週刊エコノミスト
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