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資源・エネルギー 電力再編

四国電の太陽光発電に潜在力 脱炭素時代の投資先に急浮上=土守豪

日射条件が優れた四国電力の太陽光発電所(愛媛県松山市勝岡町) 柳楽未来撮影
日射条件が優れた四国電力の太陽光発電所(愛媛県松山市勝岡町) 柳楽未来撮影

 四国電力が脱炭素時代に注目されている。太陽光発電の開発余力が他地域より優れているのだ。このため「NTTが買収先候補に検討している」と業界関係者も指摘している。

 実際、四国電力エリアは日射条件が優れている。東芝エネルギーシステムズの試算では、高知市における同社製出力5・4キロワットの住宅用太陽光発電システムによる年間推定発電量は約7300キロワット時に上る。これは、北陸電力エリアの金沢市や東北電力エリアの秋田市に比べ2割以上も多い。

 しかも、開発する土地があるので、政府が掲げる2030年のエネルギー基本計画の全電源に占める再生可能エネルギー比率36~38%の達成に大きく貢献できる。

 そもそも四国電力エリアの再エネ導入量は12年から年々増大している。

 政府は12年7月から太陽光発電をはじめ再エネで発電した電気を、国が定めた一定の価格で買い取るよう大手電力会社に義務づけた。これをFIT制度という。

 当時の再エネ電気は、石炭火力や原子力など再エネ以外のエネルギーでつくった電気に比べて発電コストが高く、なかなか導入が進まない原因になっていた。そこで、FIT制度により再エネ電気を高値で大手電力会社に買い取らせることで、再エネ発電を行う企業を増やすことを狙った。

 買い取りにかかる費用は、大手電力会社が買い取った再エネ電気の量に応じて、電気料金を通じて国民が広く負担している。

 この義務づけにより四国電力エリアの太陽光発電と風力発電の導入量は、年平均伸び率約29%を誇り、20年度末までの累計導入量は321万キロワットに及ぶ(図)。

 環境省の導入可能性調査では、四国電力エリアの太陽光はさらに1400万キロワット以上の開発余地があるという。

捨てられる太陽光

 ただ、四国電力エリアの再エネ導入は急激に拡大していることから、時間帯によって再エネ電気が無駄になる事態が起きそうだ。

 電気を安定供給するには、常にエリア全体の消費量と発電量を一致させる必要がある。

 もし、消費量と発電量のバランスが崩れると周波数が変動し、最悪の場合は多数の発電所が運転できなくなって大規模な停電が発生する恐れがある。

 記憶に新しいところでは、18年9月に北海道胆振東部地震が引き金となり、北海道電力エリアの消費量と発電量のバランスが崩れてエリア全域が大停電となった。

 太陽光や風力の再エネ電気は気象状況によって出力が変わる…

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週刊エコノミスト

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