東京市場 ストラテジストが読む 企業業績拡大で下値切り上げへ=三井郁男
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日経平均株価は2万9000円台で上値が重い展開が続いている。世界的に物価上昇や供給制約の長期化が懸念されることや、岸田文雄新政権が打ち出す政策が成長につなげられるか読み切れないことが背景だろう。
国内経済は緊急事態宣言が解除されコロナ感染が落ち着き正常化に向かいつつある。10月の景気ウオッチャー調査は、3カ月前と比べた足元の景況感示す現状判断指数が前月比13・4ポイント上昇し55・5で、好不況の分かれ目の50を超え7年9カ月ぶりの高水準となり、遅れていた内需やサービス業の回復が見込まれる。
7~9月期決算は予想より上振れする企業が目立ち、足元の業績は堅調に推移しているが、通期の予想は市場予測に比べ弱い予想も多い。生産は自動車産業中心に部品不足の状況が続いている。一方、消費関連では自動車やスマホ、家電、ゲーム機などへの購買意欲は強いながらも在庫が不足する状況で、供給制約が解消すれば売り上げは拡大できる状況だ。
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週刊エコノミスト
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