経済・企業 東証再編
「プライム合格」市場出現に沸くM&A仲介、証券、監査法人=編集部
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東証の市場再編を来年4月に控え、「プライム市場合格」を支援するビジネスが盛んになっている。プライム市場の上場基準を満たすには、企業はより高い水準の流通株式時価総額、コーポレートガバナンス(企業統治)が求められるからだ。上場企業の数は東証1部だけで約2200社。M&A(企業の合併・買収)仲介会社、証券会社、信託銀行、監査法人は、「空前の特需」を逃すまいと虎視眈々(たんたん)だ。
プライム市場を目指す企業にとって、最初のハードルとなるのが、流通株式時価総額だ。時価総額に流通株式比率を掛け合わせて計算されるが、この数値で100億円をクリアしなければならない。東証1部上場の約2200社のうち、約600社がこの水準を下回っている。時価総額を手っ取り早く増やすのがM&Aだ。
M&A仲介で最大手の日本M&Aセンターは、「プライム市場に残りたいと、特定の業界のアグレッシブな会社がM&Aを仕掛ける動きが出ている」(企業戦略部の西川大介部長)と言う。最近は大正時代創業のある設備関連企業が、同社の仲介で初めて非上場企業を買収した。収益力の向上を求める社外取締役の強い進言が契機になったという。
今年9月にもある上場建設会社が非上場企業を買収したが、ここも社外取締役のアドバイスがきっかけになった。西川氏は今後について、「新型コロナウイルス禍で揺さぶりを受けた小売り、流通、外食業界でM&Aを通じた再編が進みそう」と予測する。同社の成約件数は前期に過去最高の914件となり(図)、今期は1000件を超える見通しだ。
M&A仲介で業界3位ストライクの荒井邦彦社長も、「プライム市場の基準にギリギリか未達の企業がM&Aで基準をクリアしようと動きが出ている」と話す。買収先は、「一番実績が多いのは製造業だが、建設、運送、IT、システム開発、医療と買収の対象にならない業種はない」と説明する。
オーナー企業の相談増
全国の中小企業300万社のうち、200万社で後継者が不在で、そのうちの3割、60万社が黒字法人という。中堅どころの上場企業にとって、買収先には事欠かない状況だ。岡三証券グローバル・リサーチ・センターの高田創理事長は、「企業の内部留保は過去最高水準で、企業がM&Aを拡大するには、またとない環境」と話す。
流通株式時価総額を増やすもう…
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週刊エコノミスト
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