東京市場 ストラテジストが読む 日経平均は3万4000円が視野に=秋野充成
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企業決算発表のシーズンが終わり、2021年4~9月期の上場企業の最終利益は前年同期比で2倍に増えた。事前予想対比では6割の企業が予想外に好結果となっている点は、米国や欧州に比べると見劣りするとはいえ、非常な好決算であったと思われる。
好業績でも上昇しない日本株というイメージが定着しつつあったが、転機を迎えそうだ。11月19日に岸田文雄内閣は経済対策を閣議決定し、国の支出である国費に地方負担分や財政投融資を加えた財政支出は55・7兆円と、過去最大だった20年4月の経済対策の規模48・4兆円を大きく上回った。対策によって呼び込む民間資金を加えた事業規模は78・9兆円に膨らむ。
対策の中身についてはいわゆるバラマキが中心で悪評の方が多いようだ。ただし株式市場の観点から見ると、バラマキでも分配でもよいので金額が重要になる。20年のコロナ対策では政府債務残高が100兆円膨らんでいる。今回の対策でも50兆程度膨張するとみられ、財源として国債が増発される。長期金利上昇を抑える観点で日銀が採用している「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」の観点から日銀の国債購入額が拡大…
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週刊エコノミスト
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