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日銀短観12月調査、強弱材料の綱引きに=上野剛志

今週のポイント 日銀短観12月調査(12月13日) 強弱材料の綱引きに=上野剛志

 12月13日に公表される日銀「全国企業短期経済観測調査(短観)」の12月調査は強弱材料が綱引きする形になりそうだ。前回9月調査では、製造業(全規模)の景況感改善ペースが鈍化し、非製造業では横ばいにとどまった。

 前回調査以降、国内では緊急事態宣言が解除され、その他行動制限も緩和したことで人出が持ち直しつつあり、回復が遅れてきた対面サービス業への逆風が弱まってきている。一方、製造業では半導体などの部品不足が長引いていることが景況感の重荷になる。

 また、原材料価格の高騰も、価格転嫁の進む一部加工業種以外で幅広く景況感の重しになりそうだ。実際、10月の国内企業物価指数は前年比8.0%増と約40年ぶりの伸びを示す一方、消費者物価指数(生鮮食品除く)は同0.1%増にとどまっており、コスト増の大半を企業部門が負担する形になっている。企業の事業環境はあまり改善していないとみられることから、景況感も総じて停滞しそうだ。

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