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円高は一時的 オミクロン変異株出現も円を手放す構図は変わらない=唐鎌大輔

 為替市場で円安が進行している。11月24日の為替市場ではドル・円相場が2017年3月以来、4年8カ月ぶりの1ドル=115円台を突破した。その後、オミクロン変異株の出現と感染拡大を警戒して金融市場が大荒れとなったため、米金利低下・ドル安、結果としての円高を警戒する動きも見られる。

 だが、筆者は過剰反応だと考えている。少なくとも常に「相手がある話」の為替市場において、日本経済の劣勢を理由に円を手放す構図は簡単には変わらないはずだ。

 11月24日の円安はパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の再任報道が正常化路線継続への期待を後押しし、米金利とドルの相互連関的な上昇につながったとの解説が多いが、そうした解説は後講釈に過ぎない。確かに115円突破は重要な節目だが、年初来の名目実効為替相場(NEER)における「円独り負け」の構図を踏まえれば、「なるべくしてなった」というべきだろう(図)。

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