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コロナ禍で大打撃を受けた西武HDの起死回生の一手とは=河野圭祐
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西武HDの事業進出 未開拓の保有地を有効活用 「飽時ニーズ」を掘り起こす=河野圭祐
西武ホールディングス(HD)では2017年4月、新事業を発掘すべく「西武ラボ」という組織を発足させているが、コロナ禍を通じ、アフターコロナまで見据えて出した答えの一つがアウトドア事業だ。
今年10月、西武造園が51%、アウトドア事業を手がけるベンチャー企業R.projectが49%を出資し設立した合弁会社ステップアウトが、そのアウトドア事業を担う。同事業のプロジェクト発表会には、西武HDの後藤高志社長自ら出席する力の入れようだ。
「海外の投資家向け説明会で欧米やアジア各国を回った際、通訳をしてくれたのが丹埜段(たんのだん)さんという方で、今回組んだR.projectの丹埜倫(ろん)社長は、その弟というご縁です」(後藤氏)
アウトドア市場が日本でも成長していることから、後藤氏は丹埜氏が手がけるアウトドア事業を知るや、すぐさま部下に接触するよう指示。結果、手掛ける公園整備が480施設に及ぶグループの西武造園と、キャンプ場の検索・予約サイトトップの「なっぷ」等を運営するR.projectがタッグを組むこととなった。
REITも展開
ステップアウトの役割は、バーベキューなどを楽しめる公園整備をアウトドアの入り口に、本格的なキャンプ場へも送客していくのが柱だが、後藤氏は「我々には未開拓の遊休地も多く、今後は本格的に有効利用を考えていきたい」とも語っている。
実際、西武グループが国内で保有する土地の総面積は1億3…
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週刊エコノミスト
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