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東京市場 ストラテジストが読む 食品株が軒並み安値、原料高で苦境=藤戸則弘

 食品株は景気変動の影響をあまり受けず、安定的な収益を維持することから、守りに強い「ディフェンシブ株」と呼ばれることが多い。

 ところが、秋以降には、食品株で年初来安値を更新するものが続出している。

 製粉、製油、パン、ハム、菓子、飲料、レトルト食品など広範なメーカーの株価が下落トレンドを形成中だ。最大のネガティブ要因は、原材料となる農産物価格の高騰である。国連の食糧農業機関(FAO)が発表している食品価格指数は、11月に134・4まで上昇したが、これは2011年以来約10年ぶりの高値である。特に、欧米や新興国で主食とする小麦の価格が高騰している。

 小麦先物価格は、11月24日に一時1ブッシェル(約27・2キロ)=8・74ドルの高値をマークしたが、これも12年以来の高水準である。背景にあるのは、世界的な天候不順、サプライチェーンの混乱だが、世界最大の小麦輸出国であるロシアが輸出抑制策を採っていることも大きな原因になっている。

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