経済・企業

「中国ラオス鉄道」を開通させたラオスのしたたかさ=西沢利郎

中国ラオス鉄道開業 「一帯一路」の成果を誇示 需要少なく厳しい採算性=西沢利郎

 中国とラオスを結ぶ「中国ラオス鉄道」が12月3日、開業した。国内に鉄道網を持たないラオスは、1975年の建国以来の悲願を果たした。ラオスも加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)では、中国の経済的存在感が年々高まっているが、そうした中国の経済力を利用しようとするラオス側のしたたかさが結実した側面もある。

 3日の開業式典前には、ラオスのトンルン国家主席と中国の習近平国家主席がオンライン会談に臨んだ。中国メディアは、「(中国が主導する巨大経済圏構想)『一帯一路』の成果であり、両国経済回廊と運命共同体の構築に資する」と報じた。4日には中国南西部の重慶と成都から、雲南省の昆明経由でラオスの首都ビエンチャンへの貨物輸送が始まった。

 ビエンチャンから中国国境のボーテンまでの約400キロを南北に縦断する鉄道は、中国とラオスによる合弁企業が建設・運営する。橋りょうやトンネルが多く、難工事が予想された。それでも、2016年末の着工から、コロナ禍の最中も工事を進め、わずか5年で開業した。総事業費は約60億ドル(約6800億円)で、ラオスの国内総生産(GDP)の3割に相当する。

 日本の本州ほどの国土(約24万平方キロ)に約700万人が暮らすラオスでは、進出企業が長く労働力の安定確保に苦労してきた。インフラは未整備で、製造業拠…

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週刊エコノミスト

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