経済・企業

韓国大統領選 与野党候補者に疑惑が噴出 カギを握る20~30代の支持=徐台教

進歩派与党の李在明候補(左)と保守派野党の尹錫悦候補(右)による事実上の一騎打ちとなった韓国大統領選。日本では尹氏への期待が高まっているが……
進歩派与党の李在明候補(左)と保守派野党の尹錫悦候補(右)による事実上の一騎打ちとなった韓国大統領選。日本では尹氏への期待が高まっているが……

「大統領選がメチャクチャだ。両党の候補を2人とも代えろ。大統領はより良い人を選ぶものであって、より悪くない人を選ぶものではない」

 12月初旬、あるSNS(交流サイト)に書き込まれた匿名の投稿に、少なくない韓国の市民が共感し、筆者もまたうなずいた。2022年3月9日の韓国大統領選の投票日まであと3カ月。ここで言う「両党の候補」とは、与党「共に民主党」の前京畿道(キョンギド)知事、李在明(イジェミョン)氏(58)と最大野党「国民の力」の前検事総長、尹錫悦(ユンソクヨル)氏(61)の2人を指す。

 大統領選には中道野党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)氏らも立候補を表明しているが、共に民主党と国民の力両党合わせて韓国の議席の9割以上を占めており、李氏と尹氏の2人による事実上の直接対決となる。しかし、両氏ともにネックになっているのは、世論調査でいずれも6割近くを占める「非好感度」の高さだ。その背景には公私におけるダーティーな疑惑がある。

 李氏は京畿道の城南(ソンナム)市長を10〜18年の8年間務めたが、市長在任時の大規模な都市開発に絡み、特定の業者や人物にボロもうけを許したとして批判を浴びている。李氏は「最大限、利益を市に還元させた」と強弁していたが、最近になって不徳を謝罪した。

 尹氏は検察で捜査課長を務めていた12年、親しい検察同僚の実兄が収賄疑惑で捜査され、不起訴となった過程に関与した…

残り1138文字(全文1738文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事