経済・企業 世界経済総予測2022
金利上昇でも史上最高値更新が見込まれる金(ゴールド)相場=江守哲
有料記事
金相場 金利上昇でも価格は堅調 長期投資家の動向が焦点=江守哲
2022年の金相場は、明確な上昇トレンドに入ると考えられる。21年はインフレがテーマになったが、22年もコモディティー(商品)価格が高止まりする一方、モノの価格は徐々に上昇し、インフレ傾向は続く。インフレが今後も継続するには、原油価格の上昇基調と景気の回復基調の継続が不可欠であり、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とするインフレ率2%を超える水準での推移が当面続くことになるだろう。
新型コロナウイルスへの感染リスクは残るが、世界経済は今後も順調に回復することで、インフレ率は一定の水準で高止まりし、FRBの政策金利の引き上げが視野に入ってこよう。米短期金利市場では、22年央に0.25%の利上げが実施される確率が7割を超えるなど、利上げが視野に入っている。
ドル建ての金価格は過去、米国の実質金利(名目金利−期待インフレ率)と高い逆相関の関係にある。米10年物の物価連動債金利として現れる実質金利は、コロナ禍で一気にマイナス化した。実質金利のマイナスは、ドルの価値が実質的に目減りすることを意味し、20年8月には金価格を史上最高値の1トロイオンス=2072.49ドルへと押し上げた。
将来の利上げを織り込む形で、米金利とドル高が進んだが、この状況下でも金価格は堅調さを維持している。とはいえ、21年の金市場は、短期的に取引を繰り返…
残り686文字(全文1286文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める