経済・企業

水素エネルギーシフトが追い風になる2022年のプラチナ相場=小菅努

プラチナ 排ガス触媒の需要増加 水素シフトも追い風に=小菅努

 2022年のプラチナ相場は、脱炭素社会への移行に伴う需要構造の変化の中で揺れ動くだろう。電気自動車(EV)化で自動車排ガス触媒用需要が喪失する可能性が高まる一方、水素エネルギー関連需要の拡大が期待されており、長期的な需給構造の変化を占う上で重要な1年になる。

 プラチナ最大の需要である自動車排ガス触媒用は、22年に底堅い展開が想定される。21年に半導体不足から自動車生産が抑制された反動などで、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は前年比20%の需要増を見込んでいる。プラチナとの価格差が拡大したパラジウムからの需要シフトの動きが加速していることも、追い風になろう。

 ただ、欧州は35年までに内燃機関車の販売を禁止し、EVに切り替える方針を示している。仮にディーゼル車の約10倍のプラチナを使用する燃料電池車がその後釜になれば、プラチナ需要が急増する可能性もある。しかし、現時点での本命はバッテリーEVであり、プラ…

残り830文字(全文1280文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事