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低次元な米中の「外交ボイコット」応酬に日本が距離を取るべき理由=津上俊哉
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北京冬季五輪に「外交ボイコット」 米中が「売り言葉に買い言葉」 距離を置くべき日本の立場
米政府が12月6日、北京冬季五輪・パラリンピックに外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を表明し、英国、オーストラリア、カナダの3カ国が追随した。中国もこれに対して激しく反発しているが、この米中対立には次元の低さを感じざるをえない。互いに国内世論も強く意識して「売り言葉に買い言葉」に似たいさかいを繰り広げており、日本はこうした対立から距離を置くことが望ましい。
米国は12月9~10日、日本や欧州、そして台湾も含めた約110カ国・地域の首脳らを招き、「民主主義サミット」を開催し、中国を「専制主義国家」として排除した。中国はこれに反発し、12月4日には「中国の民主」と題した白書を公表。「西洋の民主主義モデルを模倣するのではなく、中国式民主主義を創造した」と自賛する一方、米国を挑発するかのように「自国のモデルを他国に押し付けるやり方」を批判した。
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週刊エコノミスト
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