経済・企業 2022投資のタネ
EV・再エネで恩恵受ける資源・素材 銅は住友金属鉱山・三菱商事、アルミはUACJ・日本軽金属=江守 哲/編集部
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脱炭素・資源高 EV・風力発電向け需要増 銅・アルミ関連に追い風=江守哲/編集部
銅とアルミニウムは、脱炭素社会で需要増が見込まれる代表的な資源であり、需給逼迫(ひっぱく)から価格上昇が予想される。
銅は導電率が高く、脱炭素関連では電気自動車(EV)や風力発電機に使われる。EVでは電気・電子機器間で動力や情報を伝達する「ワイヤハーネス」などに使用される。一般的に、EVの銅使用量は、内燃機関自動車の4倍とされる。EV向け需要は現時点で50万トン弱とみられているが、ゴールドマン・サックス・グループは2025年には130万トン程度に達し、30年には300万トン弱の水準に増加すると予想する。
風力発電向けも需要が伸びる見通しだ。英調査会社「ウッドマッケンジー」によると、25年の風力発電による銅使用量は68万トン、30年には122万トンに増加すると予想されている。
以上の需要増によって供給不足が生じ、その量は25年には50万トン近くに達すると予想される。22年の銅需要は前年比2・5~3%程度の増加が見込まれ、銅価格は、21年5月につけた過去最高値の1トン=1万747ドルを超えると思われる。これ以上の水準は前例がないため、同1万1000ドルや1万2000ドルなどの節目が意識されることになろう。
銅開発権益持つ住鉱
住友金属鉱山は、銅鉱山開発から製錬、加工までを手掛けている。銅鉱山ではモレンシー(米国、住友金属鉱山の権益比率25%)、セロベルデ(ペルー、同16・8%)、カンデラリア(チリ、同16%)の各銅鉱山の開発に参画している。出資比率に応じた同社の生産量(持ち分生産量)は合計25万トン(20年度実績)で、国内企業随一だ。これらの鉱山の銅を東予工場(愛媛県)で製錬する。
三菱商事は銅鉱山開発に力を入れる。元々、チリやペルーで銅鉱山開発にかかわっており、持ち分生産量は22・7万トン(20…
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週刊エコノミスト
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