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投資・運用

Q4 金融教育で知る「バブル」の正体

 日本で「バブル」と言えば、1980年代後半から90年初めにかけて株価や不動産価格が高騰したバブル景気が真っ先に思い浮かぶ。日経平均株価は、89年12月29日に史上最高値(終値ベース)となる3万8915円87銭を記録した後、長期的な下落局面に入り、30年以上が経過した現在もバブル期の最高値を超えていない。

 ただ、バブルは日本だけでなく、これまで世界で何度も繰り返し起こった。有名なのが、1630年代のオランダの「チューリップ・バブル」だ。当時、チューリップは希少な植物で、模様が珍しく人気のある品種は高値で取引された。「価格がさらに上昇していく」という期待感が高まっていく中、投機的な取引が過熱し、球根価格が急騰した。その行き過ぎた価格は突如として暴落し、取引関係者を中心に大きな混乱が生じたのである。この出来事は世界で記録に残っている最初のバブルとされる。

 1720年には、英国で「バブル」(泡沫(ほうまつ))の語源ともなる「南海泡沫事件」が起きた。これは英国の南海会社の株価急騰と暴落、それに関わった泡沫企業の乱立と淘汰(とうた)によって経済的な混乱が生じたことをいう。泡沫企業とは、簡単に言えば、実態のないペーパーカンパニーの総称だ。

 この他、1840年代の英国の「鉄道バブル」、世界大恐慌につながる1920年代後半の米国の「株式バブル」、90年代後半に米国を中心にした「ITバブル」、2000年代半ば以降の米国の「不動産バブル」などが挙げられる。

二つの形成メカニズム

 そもそも「バブル」とは一体何だろうか。経済学からみると、投機的な取引によって株式や不動産などの資産価格がファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づいた価格(理論価格)から著しく乖離(かいり)した状況になることをいう。

 バブルが形成される代表的なメカニズムには、①将来のファンダメンタルズ価格に対する非合理的ともいえる楽観的な見通しによって発生するケース、②現在の価格が既にファンダメンタルズ価格を上回っていることを知りながら、さらなる上昇が期待される場合に自己実現的に価格が上昇するケース──がある。後者は「合理的バブル」ともいわれる。

 バブル崩壊は金融・経済に深刻な打撃を与えるため、バブル発生を抑制したり、バブル崩壊リスクに備えておくことが重要となる。ただ、バブルかどうかは「実際にはじけてみないと分からない」という厄介な問題が存在する。このことは、バブルに対する金融政策対応にも影響を及ぼしている。

 有名なのが米連邦準備制度(FED)の「FEDビュー」と呼ばれるもので、バブルかどうか判断することは難しいため、バブルが崩壊した後に大規模な金融緩和政策で対応することが望ましいという考え方である。これとは反対に、国際決済銀行(BIS)の「BISビュー」は、結果としてバブルでなくても、それを防ぐために先制して金融引き…

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