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投資・運用 お金の王道

Q5 インフレが来るなら「金」? 実は「金」価格はこの指標と逆相関=長内智

「有事の金買い」といわれる Bloomberg
「有事の金買い」といわれる Bloomberg

インフレが来る!金買い、仮想通貨買いの成否は

 世界的なインフレ傾向が長期化の様相を見せる中、資産運用においては「インフレヘッジ(回避)」という視点が重要だ。これは、物価の上昇に伴う通貨価値の下落により、現金や預金、国債などの資産価値が実質的に目減りしてしまうことを回避するための投資行動だ。インフレに強いとされる資産には、金(ゴールド)や不動産、株式、物価連動債がある。

 とりわけ金は、古代から権力や富の象徴として希少性の高い金属で、その資産性は今も広く認められており、各国が危機時に備える外貨準備として金を保有し続けていることからも重要性がうかがえる。また、金は戦争やテロ、金融・経済危機、自然大災害、疫病拡大の際にも価値が低下しにくい特徴を持ち、安全資産として金が買われることを「有事の金買い」という。2020年の未曽有の新型コロナウイルス危機時も、金に投資マネーが流入し、価格の上昇につながった。

仮想通貨は乱高下

 さて近年、仮想通貨(暗号資産)が投資対象として台頭する中、最も代表的なビットコインのことを「デジタルゴールド」と呼ぶことがある。これは、ビットコインが金と類似した性質を持つためだ。例えば、国家が発行しておらず、金の埋蔵量のように発行総数に上限があり、採掘にコストがかかることが挙げられる。

 ただ、ビットコインは、金に比べ市場規模が小さいために投機的な動きによって価格が乱高下し、他の投資商品と比べて税制面で不利な点もある。「デジタルゴールド」としての輝きを失いかけているのが実態だ。

 金投資は①金貨・金地金、②純金積み立て、③金ETF(上場投資信託)・投資信託、④金の先物・CFD…

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