投資・運用

Q6 信託報酬はわずかに見えても成果に大差=横川由理

信託報酬の違いはどれほど影響? わずかに見えても成果に大差=横川由理

 投資信託は、投資家から集めた資金をプロがまとめて運用する金融商品だ。一つの投信でも多くの銘柄に分散投資しているため、個別株に投資するより値動きが安定するが、プロに任せるためにはそれ相応のコストを払わなければならない。投信を選ぶ際はこのコストが重要な鍵となる。

 主なコストは二つある。まず、投信を購入する際、銀行や証券会社など販売会社に支払う「販売手数料」(ロード)だ。これは購入時の1回のみで、高いもので申し込み額の3%程度に設定されている。販売会社によって一定の範囲内で自由に決められ、同じ投信でも販売手数料が異なるケースがある。「ノーロードファンド」という販売手数料がかからない商品が増えてきており、こうした販売会社の投信を上手に活用したい。

 もう一つは「信託報酬」と呼ばれる運用管理費用だ。資産の運用や管理をすることに対する報酬で、運用会社、販売会社、信託銀行に支払う。投信を保有期間中、毎日基準価額から差し引かれ、運用成績に大きな影響を与える。

引き下げの動き拡大

 信託報酬は一般的に年率0.1~2.0%程度と幅があり、ETF(上場投資信託)の中には、0.1%を切る商品も少なくない。将来の運用利回りについては事前に保証されないが、コストである信託報酬は事前に把握することができる。運用コストを抑えることに意識を向けたい。

 信託報酬の違いは、どの程度収益に影響するのか。100万円を年率3%で10年間運用した場合、信託報酬が1%違うと、10年後には約12万円、20年後には約31万円も差が生じる。信託報酬を年率でみると、わず…

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週刊エコノミスト

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