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Q11 住宅ローン減税縮小でどうなる? 年収700万円あたりが効果最大に=平澤朋樹
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昨年12月に閣議決定された2022年度の税制改正大綱では、住宅ローン控除を大きく改正する方針が盛り込まれた。主な内容は、25年12月31日まで適用期限を延長する一方、控除率を現行の1・0%から0・7%へ引き下げ、控除対象となる借入限度額も引き下げる。同時に、住宅性能などに応じた借入限度額の区分や控除期間も見直された。
そもそも住宅ローン減税制度は、住宅購入者の金利負担の軽減を図るための制度だ。改正前は、年末の住宅ローン残高の1%が10年間(条件により13年間)、所得税額から控除されていた。しかし、1%を下回るような低金利となり、金利負担より控除額が大きくなる逆転現象が生じるようになったため、必要以上の税還付が見直されることになった。
今回の住宅ローン控除の見直しでは、減税を受けるための所得要件が現行の「年3000万円以下」から「年2000万円以下」に引き下げられ、この点では増税要因となる。その一方、ローン控除の期間は現行の「10年」から「13年」に延長されるほか、対象となる住宅の種類も現行の「認定住宅」と「一般住宅」に、「ZEH」(ネットゼロエネルギーハウス)と「省エネ住宅」の二つが新たに追加される(表1)。
今回の見直しによる影響とその対応策について考えてみよう。まず、改正前の制度と改正後の単年度の住宅ローン控除上限額がどの程度か、年収別に試算した(表2)。住宅ローン減税は所得税から控除しきれない場合は住民税からも控除する仕組みだが、住民税から控除できる金額には上限が設けられている。そのため、年収が低い場合は住宅ローン減税の恩恵をフルに受けられないことがある。
残高次第で「繰り上げ」も
年収別に所得税・住民税額を試算したうえで、単年度でどの年収まで住宅ローン減税の最大控除額を受けられるかを見てみると、21年までは年収800万円あたりが新築の認定住宅で年間の最大控除額(50万円)を受けられていた。一方、改正後は700万円あたりから控除額が変わらなくなっている。新築で認定住宅、ZEH、省エネ住宅を購入する場合、年収600万〜700万円あたりの効果が最も大きくなるといえる。
次に、改正後に最大のローン控除を受けるためにどの程度の借り入れが必要なのか検証してみたい。13年間で合計455万円のローン控除を受けられる新築の認定住宅を購入する場合で試算してみよう。比較しやすくす…
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週刊エコノミスト
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