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経済・企業 機械式時計の世界

1本225万円・納期4年、世界が注目の新鋭メーカー=KIKUCHI NAKAGAWA共同創業者インタビュー

菊池悠介 中川友就 KIKUCHI(キクチ) NAKAGAWA(ナカガワ) 共同創業者

 <INTERVIEW>

仕上げの「極限」を追求する世界が注目の新鋭メーカー

 「金属芸術の追求」と「道具としての正統」を時計作りに求めた2人。その作品はスイスの最高級品を凌駕(りょうが)すると評判を呼ぶ。

(聞き手=浜田健太郎・編集部)

── 2018年6月の創業から3年半が経過した。現在の納期や顧客は?

菊池 納期は45カ月で、注文の8割は海外から。インスタグラムに投稿した製品を見た時計愛好家や、時計関連のウェブ媒体の記事を通じて認知が広がった。

中川 サンプル品を含め、これまでに30個近く生産した。年間の生産数は10本いくかどうかというペースで、注文が来ると受注残がたまってしまう状況だ。部品が手元にある状態で完成までに1カ月半程度かかる。部品の供給業者に発注する期間を含めると、もう少し時間を要する。

── 部品は外部からの調達になるのか。2人の役割分担は。

菊池 基本的にすべて外注だ。ケース、針、ムーブメント、ストラップとそれぞれ供給業者がいる。私が設計とデザインをして、部品の調達、顧客対応や経理などを担い、中川がパーツの受け入れ、検査、磨き、組み立て、調整、発送を担当する。

── 時計の針やケースの磨き、仕上げはどのようにしているのか。

中川 調達する部品は機械で切削して作られているので、刃物で削られた面がある。それをまずは紙ヤスリで削って消していく。ヤスリは1200番くらいの粗さの番手から始めて、最終的には7000番くらいまで細かくしていく。それを終えた後、1マイクロメートルと0.5マイクロメートルの2種類のダイヤモンドペースト(研磨材)で仕上げていく。

 針だと、切削面の傷を消すのに1日、磨いて仕上げるのに1日かかるので2日を要する。ケースの仕上げは1週間程度。最初のモデルの「MURAKUMO(ムラ…

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