経済・企業THE MARKET

金は底堅い推移が続く=鈴木直美

金 底堅い推移が続く=鈴木直美

 米ニューヨーク金相場は、1トロイオンス=1800ドル前後の狭いレンジに収れんしつつある。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和縮小前倒しを織り込んでもなお相場は底堅く、膠着(こうちゃく)を脱すれば見直し買いも見込める。ただし、インフレ抑制・金融引き締めが市場の大きなテーマとなる中で、金には上値の重さも残りそうだ。

 2021年はインフレヘッジや安全資産の代表格ともいえる金の影は薄かったが、金が役割を失ったわけではない。金地金・金貨の需要や中央銀行の金購入は活発だ。ただ、00年代に現物金地金を証券化した金上場投資信託(ETF)が登場し、金融危機後に人気の金融商品となったように、20年代は仮想通貨やNFT(非代替性トークン)などの無形資産まで取引可能になり、資金の行き場が分散した可能性がある。FRBは利上げだけ…

残り97文字(全文471文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事