経済・企業

米国の金融引き締め観測で円安はどこまで進行するのか=門田真一郎

今知りたい3 ドル・円 円安継続 年前半に116円台=門田真一郎

 コロナ危機以降続く高インフレは、各国金融政策正常化の格差を通じて為替変動をもたらしてきた。図は、横軸に「2022年10~12月期インフレ率(消費者物価指数=CPIなどの上昇率)の市場予想」、縦軸に「物価に対する各国政策金利の感応度」を示したものだ。図右上の通貨ほどインフレも高く、中銀も敏感なことから利上げ圧力が強まりやすい。実際、コロナ後の金融引き締めサイクルは図右上の新興国(トルコ、ブラジルなど)を皮切りに、徐々に左下に波及した。

 昨年秋以降はノルウェー、ニュージーランド、英国など先進国も利上げに踏み切っている。また、昨年11月には米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング(量的緩和の縮小)を決定、豪州も3年国債の利回り目標によるイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃するなど、正常化の動きが広がっている。

 正常化で先行する国の通貨は今後も金利差拡大で支持されやすい。対照的に図左下の日本はインフレ圧力も弱ければ、中銀の感応度も低く、当面金融緩和姿勢を崩すことはないだろう。筆者は日銀政策引き締めは当面想定しておらず、円安圧力が続きやすいとみる。

 特に、最近タカ派姿勢を強めている米国の動向は重要だ。FOMCは22年3回の利上げ予想とともに、早期のバランスシート縮小方針を示した。昨年11月時点で前年比4・7%増まで加速した個人消費支出(PCE)デフレーターのコアベース(エネルギー・食品除く)について、米連邦準備制度理事会(FRB)・市場ともに供給障害の緩和を背景に22年末にプラス2%台後半までの…

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