経済・企業

プライムだけじゃない! 東証再編のもう一つの「残留問題」とは=和島英樹

スタンダード、グロースも「未達」 上場廃止後に受け皿不在の深刻=和島英樹

もう一つの「残留問題」

 東京証券取引所の市場再編を巡っては、東証1部企業が「プライム市場」に残留できるかが注目されているが、「残留問題」は他にもある。それは「スタンダード市場」「グロース市場」を選択したものの、それらの上場基準に達していない企業の行く末だ。

 スタンダード市場を選択した1477社のうち212社、グロース市場を選択した459社のうち46社が「上場維持基準への適合計画の開示」を行っている。これらの258社は、プライム市場を選択したが基準に達していない296社よりも、ある意味深刻だ。

 プライム市場基準を満たさなくても、スダンダード市場の基準を満たしていれば、上場廃止されずに、スタンダード市場で上場できるが、スタンダード、グロース市場の場合は上場基準に達しなければ「上場廃止」となるからだ。

 東証によれば、新規上場に係る「市場第1部」への指定(東証第1部への直接上場)での上場審査基準は、(1)流通株式数=2万単位以上、(2)流通株式時価総額=100億円以上、(3)時価総額=250億円以上──だ。

 これに対して、上場廃止基準は(1)流通株式数=2000単位(猶予期間1年)未満、(2)流通株式時価総額=5億円未満(猶予期間1年間)、(3)時価総額=10億円未満(9カ月内に10億円以上にならない時)、(4)売買高=直近1年間の月平均売買が10単位未満または3カ月間売買不成立──となっている(表1)。つまり、上場時のハードルの高さに比べて、上場廃止の基準は極めて緩い。

1年以内に回復が必要

 一方で、4月からのスタンダード市場の上場の形式基準は、(1)流通株式数=2000単位以上、(2)流通株式時価総額=10億円以上、(3)流通株式比率=25%以上。グロース市場の上場基準は、(1)流通株式数=1000単位以上、(2)流通株式時価総額=5億円以上、(3)流通株式比率=25%以上──である。今回の再編では、上場基準と廃止基準が統一されるので、例えば、流通時価総額が基準未達になれば、1年以内にそれが回復できない場合、上場廃止となる。

 表2には、スタンダード、グロース市場の基準に未達で時価総額が小さな上位20社を示した。これらの企業は、現状では「上場維持基準に向けた計画書」を提出すれば、一定期間の猶予が与えられ…

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週刊エコノミスト

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