投資・運用 資産形成・年金・仕事
日本経済再建の最終手段「学び直し」リカレント教育へ=長内智
有料記事
国がデジタルスキルの習得支援 「リカレント教育」って何?
<3 北欧の改革>
社会全体のデジタル化が急進する中、国際的にも労働者にとって新たに必要とされる知識や技術をいかに習得するかが課題となっている。諸外国の中には、社会人が大学などで学び直しや職業訓練を受け、仕事で求められる知識や技術を身につける「リカレント(Recurrent)教育」が重要な役割を担っている国が多くある。
一方、日本は、労働市場の流動性の低さなどから、国際的にみても社会人が大学などで教育を受けている割合が、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の5分の1だ(図)。
リカレント教育について積極的な国として知られているのが、その発祥の国ともいわれるスウェーデンや、フィンランドなどの北欧諸国だ。これらの国はデジタル化でも世界の先端を走っており、筆者は2019年秋に現地を視察した。そこで目にしたのは、リカレント教育が労働市場で人材育成や雇用の流動化の面で重要な「社会基盤」になっているということだ。
例えば、銀行業はキャッシュレス化の急速な進展で店舗数が大幅に減少しており、銀行員数の削減も進められた。従来型の銀行員はリカレント…
残り1127文字(全文1627文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める