資源・エネルギー FOCUS
原油が7年ぶりの高値 「脱炭素」にウクライナ情勢が拍車 ロシア侵攻なら100ドル超えも=新村直弘
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2月4日のニューヨーク原油市場で、WTI原油先物が一時、1バレル=93ドル台と7年4カ月ぶりの高値を付けた。価格上昇の背景は、長らく続く原油の上流部門開発投資不足に、欧州の異常気象に伴う再生可能エネルギー供給の減少、厳冬による暖房燃料需要の増加、地政学リスクの高まりといった特殊要因が加わったことによるものだ。
上流部門開発投資の減少は、2014年11月のOPEC(石油輸出国機構)総会でサウジアラビアが価格維持のための減産を見送って価格が急落した頃から始まった。基本的に原油価格が低迷する中では油田開発投資は見送られる。上流部門開発投資が行われないということは、需要増加に供給側がすぐに対応できないことを意味する。生産増加のためには数年間にわたる開発投資が必要となる。供給余力が大きいOPEC諸国も直ちに増産…
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週刊エコノミスト
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