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週刊エコノミスト Online 闘論席

高騰するインスリン価格 製薬界も政界も患者ファーストでない米国=池谷裕二

撮影 奥田伸一
撮影 奥田伸一

池谷裕二の闘論席

 米国でのことだがと断ったうえで、同国に特有なインスリン事情について述べたい。インスリンは血糖値を下げるホルモンで、2型糖尿病の主要な治療薬となっている。人口の10%以上が糖尿病に罹患(りかん)しているとされ、この数値は日本も米国も大差ない(予備軍はこの3倍とも)。糖尿病は生活習慣病の中でも特に留意が必要な疾患で、重症の場合は生死に関わる。米国では糖尿病患者の4人に1人はインスリンに命を預けている状況だ。

 その生命線であるインスリンの価格が、このところ米国で高騰している。2001年から18年の17年間で価格は毎年11%ずつ上昇した。米国では医療保険に加入していない患者も少なくない。そうした患者の68%がインスリンの全額を支払っており、負担額は月900ドル(約10万円)に達している。

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