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週刊エコノミスト Online 闘論席

EUが原発を「グリーン」に分類しても日本の議論に影響はない=古賀茂明

撮影 吉田航太
撮影 吉田航太

古賀茂明の闘論席

 欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は1月1日、原子力発電と天然ガス(LNG)をいわゆる「EUタクソノミー」に含めると発表した。EUの「タクソノミー」とは持続可能な経済活動を「分類」する制度で、「グリーンリスト」と呼ばれることもある。

 ドイツ、スペイン、オーストリアなどが強く反対しており、欧州議会とEU理事会(閣僚理事会)の審査もまだなので、最終決定ではない。しかも、欧州委の案は、原発とLNGには過渡的な役割を認めるという考え方に基づくもので、決して、「本物」のグリーンエネルギーとして認めたものでもない。

 日本では、欧州で「原発回帰」が始まったという報道が多い。「原発はグリーンだ」という前提の記事まである。原発の他にLNGまでタクソノミーに含まれたことはほとんど報じられない。LNGは化石燃料の一つで、石炭に代替すれば、二酸化炭素を削減はできるが、どう考えてもグリーンではない。原発はその並びで入っただけだ。

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