週刊エコノミスト Online闘論席

キエフが平城京や平安京なら、モスクワは鎌倉か江戸=片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 キエフ大公国という国が9世紀にできた。国といっても、諸豪族の緩やかな連合体のような、国らしくない国であった。

 そんな名ばかりの国に、13世紀、ジンギスカン(チンギス・ハーン)の孫が、モンゴルからカザフの大草原を抜けて、攻めて来た。たちまち滅ぼされ、モンゴル人の支配を受けた。

 当然ながら、モンゴル人は肥沃(ひよく)な土地で騎馬軍団を養いたい。緑豊かな南の大地は欲しいが、北の寒すぎる大地には深入りしたくない。モンゴルの支配は南ほどきつく、北ほど緩くなる。旧キエフ大公国から、そんな北の方に逃げ、表向きモンゴルに従属しつつ、次第に力を蓄えた新興国家があった。モスクワ大公国である。

 やがてモンゴルに反旗を翻し、北から南へと版図を広げた。ロシアと呼ばれる国になる。

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