投資・運用

コロナ禍どうする生前贈与と家族信託契約=板倉京

大切なお金だからしっかりと引き継ぎたい
大切なお金だからしっかりと引き継ぎたい

「相続税」対策 下落局面の株、賃貸不動産… 生前贈与は「やらなきゃ損」=板倉京

 <資産形成2>

「生前贈与が課税強化されるのでは?」という話が持ち上がっている。昨年12月に発表された税制改正大綱で「生前贈与(暦年贈与)」の見直しについて本格的な検討を進めると記載されたのだ。「今後、生前贈与はできないのか?」と気をもんでいる人は多いようだ。

 数ある相続税対策の中で、利用者が一番多いのは間違いなく生前贈与だろう。生前贈与は、家族間で財産をやり取りするだけでできる気軽な対策であり、非課税枠内(年間110万円)での現預金贈与であれば移転コストもかからない。贈与を受ける側(子や孫)からすれば「財産をもらえるうえに、相続税の節税になる」、あげる側の親からすると「子どもや孫に感謝してもらえる」というように、「やらなきゃ損」の対策だ。

 生前贈与がいつか課税強化されるとしても、少なくとも現在は生前贈与による節税は有効である。今できることを続けたうえで、税制が改正された段階で軌道修正すればいい。

贈与の三つのコツ

 これからすべき生前贈与について考えてみよう。成功のコツは大きく三つあり、(1)非課税枠と低い税率を利用する、(2)将来値上がりが見込まれるものを贈与する、(3)収益を生むものを贈与する──である。

 暦年贈与の非課税枠を利用して、毎年コツコツ時間をかけて贈与をすれば、税金をかけずに次世代に財産を移すことができる。

 例えば、子どもが2人いる人の場合、毎年110万円ずつ贈与すれば年220万円、10年で2200万円の財産を移転できる。ただ「近い将来改正があるかもしれないのにそんな悠長なことを」というのであれば「あげる人を増やす」「あげる財産を増やす」といい。あげる人は子どもだけではなく、その配偶者や孫というように広げれば移転できる財産は増える。

 また、非課税枠にこだわらず、なるべく多くの財産を贈与するという方法もある。例えば「年間300万円」の贈与を受けると贈与税は19万円(実効税率6・3%)(表)で、仮に相続税率30%の場合と比較すると、相続で受け取ると最大90万円の税金となるから最大71万円(=90万円−19万円)が節税となる。これを複数人に何年も続ければ、大きな節税効果が見込める。このように高い相続税率が見込まれる場合は、贈与税と相続税の見合いで贈与額を増やすことも検討したい。

「将…

残り1588文字(全文2588文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

8月9日・16日合併号

世界経済 ’22年下期総予測第1部 世界経済&国際政治14 米国は景気後退「回避」も 世界が差し掛かる大転機 ■斎藤 信世/白鳥 達哉17 米ドル高 20年ぶり高値の「ドル指数」 特徴的な非資源国の通貨安 ■野地 慎18 米長短金利の逆転 過去6回はすべて景気後退 発生から平均で1年半後 ■市川 雅 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事