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火災保険料10月過去最大値上げも=横川由理

火災保険料は建物の構造や地域などに応じて算出(写真と本文は関係ありません)
火災保険料は建物の構造や地域などに応じて算出(写真と本文は関係ありません)

変わる火災保険 値上げと期間短縮のダブルパンチ 補償範囲や支払いの見直しで節約=横川由理

 火災保険料の値上げは2022年10月以降の契約からとなる見通しだ。損害保険料率算出機構は火災保険金の支払いが増えていることを踏まえ、21年に火災保険料の目安となる「参考純率」を引き上げると発表した。平均上げ幅は10・9%と過去最大で、引き上げは直近7年間で4度目となる(図1)。

 火災保険は建物や家財などを対象として、火災、落雷、破裂・爆発、風水害などの災害による損害を補償する保険だ。損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」は、火災保険の純保険料率を指し、損害保険各社は自社の保険料率を算出する際の基礎として使用する。

 火災保険の保険料は、建物の構造や地域などに応じて算出される。具体的には柱、梁(はり)、外壁、床、屋根などに使われている材料や性能など建物の構造によって3種類に分かれる。「M構造(マンション構造)」「T構造(耐火構造)」「H構造(非耐火構造、一戸建てなど)」があり、火事や災害に強いとされるM構造がもっとも保険料が低く、T構造、H構造の順で保険料が高くなる。

 また、台風や大雪などの自然災害が発生する頻度も地域によって異なるため、建物の所在地や専有面積などを踏まえて、保険料率を定めている。

 さらに、保険料の引き上げと同時に、火災保険期間が10年から5年に短縮され、実質的な値上げにつながり、ダブルパンチとなる。保険料は毎年支払うよりも、何年か分を一括払いしたほうが、割り引かれるからだ。

 注意点として火災保険は、地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没、流出による損害は補償されない。これらの損害に対して補償を得るためには、地震保険に加入する必要がある。地震保険の保険料は、都道府県と、建物の構造が木造か非木造かで異なる。ただ、損害保険料率算出機構が算定した「地震保険基準料率」は一律であるため、どの保険会社で加入しても同じ保険料となる。地震保険料も17年以降3回に分けて、全国平均で14・7%引き上げられている。

保険料返還のケースも

 火災保険を検討する際は、想定されるリスクに対してどのような補償を得たいのかを考え、保険料と照らしつつ補償の範囲を絞り込む、あるいは広げていくとよいだろう。これらを踏まえて、次の五つのポイントを押さえたい。

 まず、保険の対象だ。「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」から決める。第二に補償範囲をどうするか。水災の有無や特約などを検討する。損保各社所定の範囲で細かくカスタマイズできる商品も増えてきた。第三に保険期間。現在は1年〜最長10年の間で選べ…

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