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《最新特集》CO2を処分せよ① CO2から化学品原料を生産する技術は世界トップ水準=編集部
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CO2処分1 化学品の原料をCO2から 三菱ケミ、旭化成にノウハウ=和田肇
私たちを取り巻く日用品や工業製品は、ほとんどが化学品からできている。化学品は主に石油から抽出したナフサ、あるいは天然ガスを原料として、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品を精製。そこからさらに反応、合成を繰り返して、数百種類の化学品に枝分かれし、生活必需品の材料となる。
現在、化石燃料のナフサや天然ガスを使わず、二酸化炭素(CO2)から基礎化学品を精製する研究が、世界の化学業界で活発化している。この取り組みは「CO2ケミストリー」と呼ばれる。主な方法は三つある(表)。CO2から基礎化学品を作れれば、あとは従来通り、そこから数百種類の化学品を生産できるわけだ。
三菱ケミカルホールディングス(HD)は三菱ガス化学と共同で、水素とCO2を特殊な膜反応技術で反応させ、メタノールを生成する研究を行っている。メタノールからエチレンやプロピレン、液体燃料などを生産する技術はすでに確立されている。使う水素は独自の光触媒シートを用い、太陽光で水分解を行って作る。
三菱ケミカルHDによると、実験室レベルでの研究開発はすでに終えており、今後は大規模実証設備の建設に乗り出す予定だという。目標年度は2028~30年度で、総事業費は420億円以上になる見込みだ。三井化学や日本製鉄、トヨタ自動車、東レなどの企業ほか、東京大学など複数校が参加する。
電池素材や航空燃料も
旭化成は、工場や火力発電所で排出されるCO2を独自のゼオライト吸着剤で分離・回収し、そのCO2からポリカーボネートやイソシアネートほか、各種化学品を生産する研究開発を行っている。「CO2から化学品を合成する研究は1980年代から取り組んでいる」(鈴木賢・旭化成化学・プロセス研究所長)。
ポリカーボネートはプラスチックの一種で、スマートフォンや家電、DVDなどに使われ…
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週刊エコノミスト
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