国際・政治

ウクライナ危機に便乗?自民「食糧安保」の思惑

ウクライナ危機に便乗 自民「食糧安保」の思惑

 自民党が食糧安全保障の議論を急発進させた。

「食料安全保障に関する検討委員会」(委員長:森山裕元農相)の初会合が開催された3月10日、15人ほどの議員から意見を聞くと、食糧安保強化に向けた決議をした。その2時間後には農林幹部議員が決議を持参し、金子原二郎農相に申し入れるというドタバタぶり。ウクライナ危機を踏まえ、日本は食料を自給できるのかという不安を払拭(ふっしょく)するのが狙いだった模様だ。

 食糧安保が注目される背景には、経済安全保障を巡る議論がある。この議論をきっかけに安全保障全体に対する意識が高まる一方、経済安保法案には「食糧安保の視点が欠けていた」(農林幹部議員)。中国などからの輸入原料に依存する化学肥料を問題視する声も多かった。結果として農業振興につながるため、今夏に投開票の参院選の追い風になるとの思惑も広がった。

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