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歴史的な水準まで下落した日本円=佐々木融

ドル・円 歴史的な円安水準=佐々木融

 3月に入って急速に円安が進んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げと絡めてドル・円相場の上昇(ドル高・円安)が注目されがちだが、今月に入ってからの米ドルは強くはなく、今回の動きは純粋な円安だ。3月入り後の主要通貨騰落率をみると、円が独歩安で、豪ドル、ニュージーランド・ドルなどが最も強く、対円で9%前後上昇している。

 円はすでに実質的に歴史的な円安水準まで下落していた。これは日本企業が海外に生産拠点を移したことで、円安になっても貿易収支が黒字になりにくくなっているという構造的な要因が背景にある。そこに原油価格などの急騰が重なった。加えて、貿易赤字拡大を背景とした、日本の輸入企業による円売り加速も一因だろう。

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