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週刊エコノミスト Online 編集後記

斎藤信世/稲留正英

編集部から

「失われた30年──」。本屋でみかけた経済本のタイトルに、嫌気がさした。「平成生まれの歩みを否定しないでほしい」。胸の内は、こんな感じだったと思う。

 平成の30年は確かに経済は低迷していた。巨額の財政赤字や上がらない賃金。右肩上がりで成長を続ける米国株に対し、ほぼ横ばいで推移する日経平均株価。デフレマインドから脱却できず、国が成長しているという実感も乏しい。昨年2月、日経平均が30年半ぶりに3万円台を回復した際は、盛り上がる周囲との温度差にどこかさみしさを感じた。平成生まれの記者は、生まれてから一度も、好景気というものを経験したことがない。

 平成が「失われた時代」と評される度に、憤りや悔しさを感じるのだが、否定するための十分な材料も見当たらない。ゴールデンウイークは「平成とは何だったのか」を探る時間にしたいと思う。

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