東京市場 ストラテジストが読む 株物色対象を左右、米国物価動向=三宅一弘
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米消費者物価指数は世界の債券市場にとっても、日本株をはじめ世界の株式市場にとっても最重要指標の一つになっている。毎月10日過ぎの発表日に向けて高い伸び(物価高加速)を警戒し、債券安(金利上昇)と株安が進むケースが多かった。
米国の大幅な物価上昇は、米連邦準備制度理事会(FRB)による強硬な金融引き締めにつながり、将来の景気後退と企業収益の悪化による株安につながる。先行き、いずれかの時期に物価上昇率が大きく鈍化すれば、金融引き締めは様子見に転じるなど、景気や企業収益に対する不安を後退させる。
FRBは3月会合で0・25%の利上げを実施したが、5月会合以降、通常の2回分に相当する0・5%利上げと、月950億ドル(約1兆1900億円)の資産圧縮(QT)に乗り出し、強硬な金融引き締めに入る可能性が高い。現状のままではFRBの使命である物価安定に対する信認が揺るぎかねず、景気を犠牲にしてもインフレ抑制を重視する姿勢である。
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週刊エコノミスト
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