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国際・政治 マクロン2期目

再選マクロン大統領、女性首相を登用し心機一転=渡辺啓貴

 再選したマクロン大統領は女性首相で人事を一新しながら、引き続きロシアとの対話を重視することになりそうだ。

ロシアとの対話路線継続へ=渡辺啓貴

 4月24日に行われたフランス大統領選挙第2回投票で中道派政党「共和国前進(LREM)」のエマヌエル・マクロン前大統領が59%の票を得て再選が決まった。12人の立候補者のうち第2回投票に残ったのは2017年と同じ極右「国民連合(RN)」の党首マリーヌ・ルペン候補だったが、ルペン氏は41%しか得票できなかった。5月16日には女性の環境相・労働相経験者エリザベット・ボルヌ氏が首相に任命された。

支持広げる極右勢力

 負けたとはいえ、前回(34%)に比べると、ルペン氏の得票は7ポイントも伸びた。極右勢力は着実に支持基盤を広げている。それは新党「失地回復」のエリック・ゼムール候補が一時期台風の目になったことにも表れていた。ルペン氏以上に激しい排外主義の主張を行った評論家のゼムール氏は第1回投票で最終的には7%にとどまったが、昨年秋にはルペン氏を抜いて第2回投票に残る可能性もあるとみられていた。二つの「極右」を合わせて第1回投票では30%に達した。

 他方でメランション候補が率いる極左「不服従のフランス(LFI)」は今回の第1回投票でルペン氏に肉薄する22%にまで得票率を伸ばした。メランション氏は12年大統領選挙で「左翼戦線」を組織し、17年大統領選挙では19.98%まで党勢を拡大していた。LFIは反グローバリズム・ 反エリート主義を唱え、主権主義の立場から反EU(欧州連合)を表明、その点ではルペン氏と軌を一にしてエリート主導のマクロン政治に正面から反発、「抗議する人々」としてルペン氏とともに「庶民の立場」の一翼を担ったのである。

 12年まで大統領政党を争ってきた保守派共和党と社会党の候補は5%以下に沈み、2大政党の凋落(ちょうらく)は明白となった。大政党離れは1969年以来の高い棄権率(28%)に表れていた。極端な主張にもマクロンのエリート主義にも投票したくない人が行き場を失ったのだ。大統領はこれを憂慮し、当選同夜も「怒りと不合意」の国民の政権批判を真摯(しんし)に受け止める決意を明らかにしていた。

 91年のミッテラン政権のクレッソン氏以来の女性首相の任命は心機一転、新しい息吹を期待したものである。ボルヌ新首相はエリート校のグランゼコール理工…

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週刊エコノミスト

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