資源・エネルギー

電力・ガス不足 今夏・今冬は「綱渡り」=編集部

ガス使用制限令も検討

 経済産業省は5月27日、今夏、今冬の最新の電力需給検証結果とその対策をまとめた。それによると、今夏に「厳気象」(10年に1度の猛暑)となった場合、東北、東京、中部電力の7月の電力供給予備率は3.1%に低下。安定供給に必要な予備率は3%が最低限とされており、発電所で不測のトラブルなどが起きれば、停電のおそれが生じる。

 深刻なのは冬だ。同じく「厳気象」(厳寒)となった場合、来年1月と2月は、東京電力で予備率が1月にマイナス0.6%、2月は同0.5%に落ち込む。経産省によると、同社の供給力不足分は200万キロワットにも達するという。また、中部、関西、北陸、中国、四国、九州電力の予備率も、1月に1.3%、2月に2.8%と3%を切る。3月22日に発生した東京電力の需給逼迫(ひっぱく)では、揚水発電の活用ほか、他社からの電力支援で急場をしのいだが、今冬はどの電力会社も他社の支援をあてにできない可能性が出てきた。まさに「綱渡り」の状況が待ち構えている。

 一方で、メディアにあまり取り上げられていないのが、今冬の都市ガス不足だ。前述の5月27日の検証では、今冬の都市ガス不足の懸念についてもまとめている。それによると、都市ガス大手・中堅9社の液化天然ガス(LNG)輸入量約2300万トンのうち、約1割がロシア産であり、ガス需要が激増する冬にロシア産が途絶する事態となれば、都市ガスが足りなくなる可能性もある。

3.11の経験

 経産省は対策として、電力にならい、節約要請や供給の制限、ガスの使用制限令の検討を行う必要があると、前述の5月27日の検証報告に盛り込んだ。

 だが、都市ガス会社は、過去に節約要請や使用制限を行ったことがない。

 都市ガスは電力と異なり、ガス導管が全国隅々にまで張…

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週刊エコノミスト

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