米国は間もなく買い場、狙い目はテック企業=木野内栄治
有料記事
米国株
米連邦準備制度理事会(FRB)が7月に9月以降の利上げペースの鈍化を示唆すれば、米株は7月末を底に上昇に転じる可能性がある。
ダウ平均は7月末を底に上昇へ
注目は割安の「グロース株」
3月28日~5月16日の週まで米ニューヨークダウ平均は1932年以来、90年ぶりの8週連続の下落となった。過去を振り返れば、8週続落はその後の景気後退のサインとなったが、今回はベア(弱気)相場入りではなく、底値固めだと考えている。8週続落した後に、5月20日から6日続伸したからだ。7月末をボトム(底)に、ダウ平均は上昇を始めるだろう。
その根拠の一つに、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げペースのスローダウンが、7月26~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で説明されることが予想されるからだ。FRBは消費者物価指数(CPI)総合を重視する姿勢を表明したことから、7月も0.75%の利上げの懸念があるが、その場合でも7月のFOMC直後に9月のガイダンスで次回以降のペースダウンが説明されるだろう(図1)。
その時のポイントは、足元で1ガロン=5ドルを超えたガソリン価格だ。季節的に8月にピークをつける可能性が高く、7月央にはバイデン大統領による中東歴訪での原油増産要請が奏功している可能性もある。
そこで7月のFOMCで、原油価格の落ち着きぶりを確認し、景気への配慮からも9月以降の利上げを0.5%にスローダウンさせると考えられる。これが株価には追い風となるだろう。加えて、米国では住宅価格の上昇が資産効果となり、消費を押し上げ、景気と株価にはプラス材料となる。
コロナ直後安値を下回る
では、7月末をボトムに反転するなら、この買い場でどういったセクターが狙い目となるか。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が本格化する前の2020年3月16日を基点(100)にした株価推移をみてほし…
残り392文字(全文1192文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める