経済・企業

年後半の日本株展望 カギは老朽化インフラの整備政策=木野内栄治

 2022年下期の日本株を展望する場合、注目は今年7月の参院選に向けて政府・与党が打ち出す政策だ。カギは、老朽化したインフラの整備・再構築である。

 5月17日、愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で大規模な漏水が発生し、周辺の工場に工業用水を送れず、操業を停止したというニュースをご存じだろう。ただでさえ、今夏の電力供給には不安がある中、この漏水のために愛知県碧南市の発電会社JERA碧南火力発電所がストップした。周辺の農地への給水も止まったため、農作物の収穫への影響も懸念される。

 明治用水頭首工は、1958年に完成した施設で、すでに64年が経過していたが、抜本的な修繕や整備が施されず、大規模な漏水が生じた。農林水産省はこの問題を受け、急きょ全国390カ所の取水施設を調査することにした。昨年には和歌山県の水管橋の一部が老朽化で崩落し、大規模な断水が発生。周辺住民はトイレも使えないという事態に見舞われたニュースは記憶に新しい。

 取水施設だけではない。都市部周辺では50〜60年代に作られた道路や水道管など重要なインフラの老朽化が進んでおり、これらの修繕や再整備は急務だ。

 整備には相当規模の財政支出を伴うが、重要インフラの再構築は単なる建て替えではなく、複線化などにより経済効果が見込めるものが少なくない。たとえば、首都圏や外環道、圏央道、新東名高速道路の整備はネット通販などのEコマース(電子商取引)の出荷基地となり、相当の経済効果が見込まれる。すなわち重要インフラの多重化は賢い支出となるのだ。

建設資材などに注目

 岸田文雄首相は就任早々、科学技術の振興に加えて、重要インフラの整備を国家的課題だと強調した。自民党内にも重要インフラへの積極的な財政出動を必要とする声が多い。自民党の高市早苗政調会長は、10年で100兆円のインフラ計画を主張している。こうした点を踏まえると…

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週刊エコノミスト

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