経済・企業

ロシアがシェア4割超のパラジウムが突発高=中村繁夫

レアメタル

 急騰は落ち着くも、タングステン、チタン、ニッケル、パラジウムの価格は要注意だ。

高騰の背景に“戦争特需”

中長期で需要増の4金属=中村繁夫

 レアメタル相場の行方は、ウクライナ情勢を受けてどう見るべきか。筆者はこれまで、レアメタルの貿易取引を通じ、ロシアやその周辺、関係国を定点観測してきた。レアメタル貿易が盛んなシンガポールに6月、筆者や友人のレアメタルの専門家が集まった。資源メジャー社員やトレーダーをしている友人らと、今後のレアメタル相場を以下のように占った。

 シンガポール市場は、表面的にはロシア制裁をしている。だが裏では、中国を隠れみのにしたトレードが活発で、専門家たちは政治とは関係なく現場の動きで予見するため、現実的な意見が優先している。その結果として我々の結論は極めてシンプルである。

 まず、具体的に各レアメタルの相場を見てみよう。戦争で需要が伸びるレアメタルといえば、古典的にはタングステンとチタン、ニッケルだ。また、半導体や電池材料に必須な、コバルトやリチウム、レアアース(希土類)なども重要な素材だ。

 最も注目すべきはタングステン、チタン、ニッケルとパラジウムの四つだ(図)。

 タングステンは、戦車はもちろん、それらを作る過程で切削加工に用いられる超硬工具には必須の素材だ。現時点では、市況はそれほど高騰していない。だが確実に上昇傾向を示している。また、ミサイルや航空機需要を考えると、チタンの長期的な市況は活発になるだろう。ニッケルはロシアの供給シェアが2割強と高く、ロシアが逆制裁を打ち出す可能性が否定できず、危険材料だ。

 そして、今後の動向で注視が欠かせないのが、白金属元素のパラジウムだ。ロシアが世界シェアの4割以上(2020年生産量は82トンで世界の43%)を占める。自動車の排気ガスに含まれている環境や人体に有害な化学物質を浄化するための触媒に、パラジウムは欠…

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週刊エコノミスト

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