経済・企業

規模は追わず差異化を目指す創業精神が今後もソニーの強み=和泉美治

ソニーのBtoB

 BtoCのエンタメ事業が好調なソニーだが、その背景にはBtoBのテクノロジー領域の強さがある。

テクノロジー重視の姿勢が好調なエンタメ事業を支える=和泉美治

 2年連続で1兆円超の営業利益を計上したソニーグループ(以下、ソニー)の好調は、ゲーム、音楽、映画の「エンタメ3事業」を主因に語られることが多い。実際、これら3事業合計の売上高は、2012年度から21年度までの10年間で2.7倍(年平均成長率12%)に拡大。21年度には連結全体の50%を初めて超え、営業利益も全社の約3の2を占める稼ぎ頭となっている。

 だが、ソニーの事業構造は、エンタメだけで語れるほどシンプルではなく、それ以外に多様な事業を展開している。最近の同社は、この複雑な事業構造を「感動(人の心を動かす)」と「人」を軸にシンプルに表現しているが、この「伝える力」こそが、他の大手電機企業との一線を画す強みともなっている。

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