《東京市場》利上げで景気懸念の欧米より相対優位な日本株=三井郁男
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株式市場の注目は、インフレ動向から景気の先行きにシフトしている。エネルギーや食糧など供給要因がインフレをもたらしているが米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など日銀以外の各国中銀は40年ぶりのインフレに対し景気を犠牲にしても需要を抑制するため金融引き締めを急いでいる。
これに対して行き過ぎた金融引き締めによる景気後退懸念が米欧で強まっている。株式市場は懸念が強まり調整が大きくなるとリバウンドが起きる変動率の大きい状況が続いている。一方、日本株は相対的な優位性が表れつつある。今年後半から来年にかけての経済成長率は内需の回復が本格化し、先進諸国内では高い成長が見込まれる。
6月の日銀短観では、2022年度の大企業全産業の売上高経常利益率計画は21年度の8.1%からは低下するものの7.5%と経営環境が大きく変化している割には高い水準を維持している。大企業製造業の22年度想定ドル・円=116.5円、ユーロ・円=130円で為替からは利益率計画の上方修正の余地もある。内需産業はコロナ禍で損益分岐点売上高の引き下げを継続したことで売り上げが伸びれば業績拡大が続きやすい。イン…
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週刊エコノミスト
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