伸び率の上昇続くか＝上野剛志

　日本銀行から8月25日に7月の企業向けサービス価格指数（速報）が公表される。同指数は企業間で取引されるサービスを対象とする物価指標であり、川下段階にある消費者物価にも影響を及ぼす。

　6月の同指数の伸び率は前年比2.0％増と、企業間で取引される財の価格動向を示す企業物価指数の伸び（前年比9.2％増）を大きく下回る。サービス価格はコストに占める人件費の割合が高いことから、賃金の伸び悩みが価格の抑制につながっている。

　ただし、企業向けサービス価格指数も最近では上昇基調が強まりつつある。伸び率は6月にかけて4カ月連続で上昇し、6月の伸び率（2.0％増）は消費税率引き上げという特殊要因があった2020年2月以来の高水準に当たる。資源高や円安・物流の逼迫(ひっぱく)を受けて外航貨物輸送（前年比66.5％増）などの国際運輸領域で価格が急騰していることが主因だが、行動制限解除後の旅行需要回復を受けた宿泊サービス（同19…