技術移入から新幹線まで150年を振り返る=枝久保達也
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日本の鉄道は明治維新後の近代国家形成の過程で、整備されていった。黎明(れいめい)期には鉄道発祥の地である英国で学んだ井上勝に代表されるように、まずは海外の優れた技術を取り込んで、基礎を作り、そののちに日本の情勢に合わせて国産化を進めた。
明治から大正にかけて鉄道が発展していく過程で、民間の活力を生かすかたちで、多くの私鉄が生まれた。特に阪急グループの創始者である小林一三は、私鉄ビジネスモデルの源流をつくったといえる。鉄道の延伸と拠点駅周辺の商業施設の整備、宅地開発を組み合わせて進んでいった。沿線開発の進展で郊外化が進むと都心と郊外を直結する地下鉄の必要性が高まった。
戦争は鉄道にも打撃を与えた。利用は制限され被害も大きかったが、弾丸列車計画は戦後、新幹線に継承された。
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週刊エコノミスト
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