《東京市場》価格転嫁力ある企業が物色対象に=三井郁男
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米国の長期金利の低下とともにリスク資産に買い戻しが入っている。実体経済や企業業績の悪化懸念は強いが、市場が予想していた状況に比べ、足元はそこまで深刻化していないことが買い材料になっている。当面は実体経済と企業の収益動向を吟味する時期に入ったとみる。
経済指標は景気の悪化を示すものばかりではないが、世界経済の下方修正は相次いでいる。国際通貨基金(IMF)の7月の世界経済見通しは4月に続き下方修正された。世界経済成長率は昨年の6.1%から今年は3.2%に減速。4月時点の予想を0.4%ポイント下回る。米国、中国、欧州、日本と軒並み4月時点予想から下振れとなった。
4~6月期の日本の企業業績は中国のロックダウン(都市封鎖)のマイナス影響や運賃高止まり、光熱費や原材料費の上昇といったマイナス要因が収益を圧迫すると予想された。実際には、内需の回復、価格引き上げや、円安効果などからまずまずの内容だった。一方、製造業の中には部材などの調達リスクに対応するため通常より在庫を厚めに持つ方針の会社が多かった。実際に在庫が大きく増加している企業も多く、今後の最終需要次第で…
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週刊エコノミスト
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