新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 止まらない円安

次はどうなる ストラテジスト5人が予想

 粘着的な高い物価上昇に対応し、欧米主要国は利上げを急ぐ一方で、日本は金融緩和の姿勢を堅持している。24年ぶりに円買い介入に踏み切ったが、ドル・円相場はどうなるか。株価とあわせて5人の専門家に予想してもらった。

宇野大介(三井住友銀行チーフストラテジスト)

テーマは「円売り」にスイッチ

 足元までは、米国の金融引き締めと、対照的な日本の金融緩和維持という金融政策の向きの違いをテーマとしたドル買いであった。米国は景気減速・後退、株安をいとわずに、今後もさらなる引き締め強化により歴史的なインフレを抑制し、欧州もエネルギー調達問題が解消されずにインフレ高止まりを回避すべく米国に追随した引き締め強化、継続を選択しよう。一方、デフレだった日本は、いまだ限定的なインフレにとどまるも、従来の供給網の目詰まりに加え、秋に予定の大型財政出動により、年末以降は欧米同様に増長するであろうインフレを抑制する出口戦略の検討を始めていこう。

 しかし、それが円買い戻しに作用するわけではない。世界共通の株安、債券売りに加え他国がインフレ抑止のために通貨高を指向する中、日本を取り巻く台湾海峡問題は資源・食料を「持たざる国としてのリスク」を意識させるし、国内政治事情は黄金の3年などという安定期とはいえないほどの混乱を招きかねない事態にある。日本売りへとテーマがスイッチする可能性を鑑み、ドル・円、ユーロ・円についてはともにドル買い・ユーロ買い…

残り2344文字(全文2953文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事