《東京市場》円安と訪日客緩和が株価に追い風 三井郁男
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米連邦準備制度理事会(FRB)は強い引き締めを継続する構えであり、米国経済は潜在成長率(1.8%程度)を下回る成長が続くことが想定される。失業率の上昇も受け入れざるを得なくなるとともに、金利の上昇で、株価の相対的な割高感が強まり、株価収益率(PER)などは高まりにくくなってきた。
欧州もエネルギー不足が深刻化している。高いインフレ率が続き、景気後退と同時進行するスタグフレーションのリスクがある。暖房需要が増加する冬場は特に厳しい状況が想定される。欧州中央銀行(ECB)はインフレ対応の金融引き締めを続けざるを得ず景気後退の懸念が強い。欧州発の世界の景気減速にも注意が必要だろう。
日本株も米国市場の影響を受けざるを得ない状況は続くが、相対的に底堅い動きが見込まれる。まず国内経済は一段と正常化へ向かう。コロナ感染第7波は終息に向かい国内のサービス消費は増加する。9月7日から国内への入国者の上限が5万人に拡大され、水際対策もG7(先進7カ国)並みのスムーズな入国が可能になる。中期的にも国策の「観光立国」に向かってお得感の高い日本へのインバウンド(訪日外国人観光客)は拡大傾向が…
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週刊エコノミスト
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