《東京市場》厳しいエネルギー事情、小型原子炉に注目 藤戸則弘
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ウクライナ戦争の影響で、世界的に天然ガス価格の高騰が続いている。天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」で大規模なガス漏れが確認され、ロシアから欧州への天然ガス供給は長期間停止される可能性が高まった。
欧州天然ガス先物価格は、8月26日に1メガワット時=342ユーロの高騰を見せ、その後軟化しながらも170~200ユーロ程度の推移だ。昨年2月安値は15.5ユーロに過ぎず、9月ユーロ圏の消費者物価指数(総合)が前年同月比10.0%まで急上昇した要因になった。やや軟化していた原油価格も、「OPEC(石油輸出国機構)プラスが大規模減産を検討」している報道がある(ロイター)。
こうした状況は無資源国日本を直撃している。エネルギー価格の高騰に円安が加わって、8月の貿易赤字は2兆8173億円と、比較可能な1979年以降で最大となった。暦年ベースで過去最大の貿易赤字は2014年の12兆7813億円だが、このままでは今年が過去最大の赤字となる可能性が高く、抜本的な対策が急務と思われる。
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週刊エコノミスト
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