米国株で注目される「連続増配」6社 和島英樹
有料記事
米国で急速な金融引き締めが続く中、今が狙い目の銘柄を探った。>>特集「円安・物価高に強い200社」はこちら
P&Gは65期、J&Jは59期の増配
米国株式市場は荒れ気味だが、こうした中でも上昇が期待できるテーマや銘柄は少なくない。具体的には配当に魅力のある銘柄や、景気に業績が左右されにくい「ディフェンシブ株」、資源高で見直される原子力発電に対応する企業などが該当するとみられる。
米国株の下落は、インフレを抑えるための金融の引き締め長期化や、米連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げの影響による景気の失速懸念が要因だ。金利の先高観測から、2年物国債の利回りは4%を超えてきている。これは、株式投資でリスクを取るよりも安定的な債券投資でリターンが得られることを意味する。
一方、企業の中には毎期連続して増配する企業もある。日本では花王の32期連続が最高だが、米国ではこれを大きく上回る企業がある。例えば紙おむつ「パンパース」や空気清浄の「ファブリーズ」などで有名な世界最大の一般消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は実に65期連続の増配、ヘルスケア製品の世界的メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は59期連続の増配となっている。世界的な飲料メーカーのコカ・コーラも59期連続増配だ。
短期的に債券利回りが上昇しても、連続して増配する企業は長期安定的に配当利回りが上昇するため、これに打ち勝つことができる。しかも、この3社は景気悪化の影響を受けにくい、生活必需品を扱うディフェンシブ企業でもある。
見直される原発
ロシアによるウクライナ侵攻などで天然ガスをはじめとした資源価格が上昇している。西側主要国がロシアへの経済制裁を科す一方で、ロシアからの天然ガスや原油供給が滞っていることが要因だ。火力発電に使われる資源高騰で、欧州では電力不足の危機が浮上。注力してい…
残り534文字(全文1334文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める